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  • 執筆者の写真sprout

【食ingDAYs】DAY4「地域の食材をデザインする」レポート

更新日:2020年1月23日


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1/19に【食ing DAYs】DAY4がコワーキングスペースGomboppa で開催されました!

今回は、丸森町筆甫地区振興連絡協議会事務局長の吉澤武志さんをゲストにお招きして、トークイベントを行いました。タイトルは『地域の食材をデザインする』です。今や全国テレビでも取り上げられる名産品へそ大根は、どのようにブランド化されたのでしょうか。当日は角田市内外から、地元を活性化させたい、何をブランディングしたら良いか知りたいといったニーズを持つ方々が集まりました。




今ここで暮らす住民の幸せ
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DAY4講師の吉澤武志さん

講師の吉澤さんは、実は2004年に筆甫地区へ移住した移住者です。様々な地域活動を経て、2010年に丸森町が公民館を住民自治組織に指定管理を委託する事にあわせて、現在の筆甫地区振興連絡協議会の事務局長に就任されました。


筆甫地区は、人口533人、高齢化率 54% の地区です。”限界集落”とも言われる状況の中で、筆甫地区で暮らす住民のニーズや課題を解決し、地域を持続させていく取組みを実施していくのが筆甫地区振興連絡協議会です。


移住者であった吉澤さんがまず取り組まれたのが、地域の信頼獲得と、自治組織が地域にとってどんな存在かを住民に理解してもらう事でした。ゴミ拾いから始まり、地域会合のヒアリングで、これまで十分頑張った事と、これから頑張らなくてはいけない事の2つに、地域の活動を整理していきました。


吉澤さんの取り組むべき課題を選択する最も大事な判断基準が、『今ここで暮らす住民の幸せ』をいかに創れるかという視点です。地域の再生エネルギーや高齢者向けの移動販売等、様々な取組みを通して、住民の幸せ作りをしてきました。次のステップの吉澤さんの取組みのモチベーションとなったのが、以下の2点です。


 ●希望ある地域社会を描けるか

 ●地域で生きていくための誇り・プライドを如何に持てるか


ここで登場するのが、本日の主役『へそ大根』です。




「へそ大根」をブランド化させる意義とは
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名産品のへそ大根は吉澤さんのご好意で参加者の方のお土産に。

へそ大根は今でこそ全国ネットのテレビでも取り上げられるほど、知名度が高い地域食材となっています。しかし、もともとは地域の伝統食材として、地域食文化の宝という住民の意識でした。吉澤さんはへそ大根を外で戦う武器として活用していく事を考えました。地域内での消費ではなく、外に出て行く目的は以下の3つでした。


 ●経済活動の創出

 ●いきがいの創出

 ●地域の誇りの回復


人口減少と高齢化で経済活動が弱くなり、東日本大震災の風評被害で失われた住民の誇りといきがいを再び取り戻すための手段として、へそ大根を活用したのです。それはあくまでも、筆甫地区トータルのブランド化を推し進めるためでした。地域内外での筆甫の魅力を高めるためのへそ大根のブランド化です。ブランディングが成功するという事は、次の3つの効果があります。


 ●第二、第三の商材を生み出しやすくなる

 ●地域の関わり幅を広げる事ができる

 ●地域全体の価値創造


地域外での筆甫の魅力が高まれば、筆甫ブランドとして次の商品が創りやすい状況になります。複数の商品の生産を地域で取り組めるようになる事で、地域内で様々な住民が関れるようになります。それが筆甫地区のトータルブランディングです。そうする事で、吉澤さんが意図していた、住民が暮らしに喜びを感じられる地域が実現していく仕組みとなります。




地域づくりでの3つのポイント
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へそ大根を試食しながら質疑応答タイム

なぜ限界集落と呼ばれる筆甫地区で、ブランディングが成功できたのでしょうか?吉澤さんが大事にしていた地域のあり方はたった2つです。


①とにかくチャレンジ

地域を良くするために住民自らチャレンジを繰り返し、今までできなかった事ができるようになる地域の成長が大切です。ちょっと頑張れば手が届くチャレンジが、成功体験と課題修正力を地域にもらたらします。


②多様なチャレンジ

みんなでひとつのチャレンジをする事にこだわらない。なぜなら、住民の興味関心とやる気スイッチはそれぞれ違うからです。強制や危機感だけでは人は動きません。「多様な打ち手」を展開することで、関係者・協力者の幅を増やす事が重要です。


具体的な地区での取組みのポイントも教えて頂きました。まさに、現代のビジネスに必須のポイントばかりですね。


 ●変化する勇気

 ●決断力・スピード・修正力

 ●誰と組むか

 ●ぱくる


これらの取組みを踏まえて、強制はしないけど、地域情報を広報誌で共有する事で情報弱者を作らない事を心がけているとの事です。そして、日頃より「住民参加」をどれだけ作れるかという点が大切にします。人が集まり、笑いあう場があり、地域運営組織に関わる人を増やしてこそ「課題解決」に進めるのではと。とても納得のお話でした。


吉澤さんが筆甫地域に入られて15年です。ここまで来る事は想像もしていなかったと仰っていました。吉澤さんの『今ここで』という考えと行動が、15年の歳月をかけ、地域一丸となった筆甫地区は、全国的に注目される素晴らしい成果を挙げています。今ここで、関れる幅を増やして、幸せを創っていくのが、吉澤さんと筆甫の皆さんです。私たちもちゃっかり、吉澤さんに提供頂いたへそ大根で、今ここで参加者みんなで幸せになってしまいました。



吉澤さんのご活躍はこちらからご覧ください↓

> 丸森町筆甫地区:https://www.facebook.com/marumori.hippo/

>ひっぽのへそ大根生産組合: https://www.facebook.com/hesodaikon/



 


次回の食ingDAYsは2020年3月29日(日)に開催します。

Writer profile

舟山 直道。veeell Inc.マネージャー。

野球とバスケ好きな小ネタ王子。推しメンは角田市出身の楽天イーグルス熊原 健人選手。

写真が趣味で、スポーツ写真や風景写真を撮影してSNSに投稿!写真を日々勉強中。


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