今年度のビジネススクールのDAY3を8/21に開催いたしました!
第3回のテーマは【人材育成】です。 日々このテーマに悩まされている方は多いのではないでしょうか。社会全体の永遠の課題ともいえるテーマをご担当いただくのが、中山聖子さんです(^○^) フリーランスで活動されている中山さんは、キャリアデザイン事業プランナーとして活躍されています。企業の人事制度設計・運用定着、コミュニケーション研修、若手育成研修を実施されています。現在の業務での体験や、NPO法人の代表理事として人材育成に携われていた経験をもとに、人材市場の現状から、現場での具体的なポイントまで幅広く解説していただきました。
今回のゴール:90分後に以下をイメージできるようになること
①誰にどのように助けを求めるか、いつどんなパートナーが必要になるか?
②無償の仲間から組織事業にする際に求められる責任と覚悟(実務と心がけ)
「人」を取り巻く環境変化
人材の環境変化については、以下の3つのスケールに分けて解説していただきました。
①人材市場の変化
ネガティブなニュースの多い人材市場ですが、今回大きく取り上げたのが以下の2点です。
・有効求人倍率の変化
2017年の有効求人倍率は、43年2ヶ月ぶりの高水準となりました。つまり、企業は「人手不足」が加速し、業界によっては「人余り」がある一方で、多くの業界は「人手不足」が深刻になっています。
・生産年齢人口の減少
50年後には生産年齢人口が4割減少し、人手不足倒産が増加していきます。
②若手人材の意識変化
年々若年層の「採用」と「育成」が難しくなっています。その要因として、若年層の人口減少に加えて、80年代前半以降の世代の意識が、以下のように変化した事が挙げられます。
・将来への漠然とした不安感
・将来をあまり期待しすぎず、多くを望まない
・上昇志向が極端に減っている/挑戦を望まない、ローリスクローリターンの環境を望む
・縦社会よりも横社会を大事にする
③企業の採用行動/社員の扱い方の変化
国の働き方改革の推進や、トヨタ終身雇用無理宣言など、これまでの「働き方」への価値観からのパラダイム変化が起きています。
・大企業も「潰れるかもしれない」という常識の変化
・2030年には今ある仕事の50%がなくなる、という話
・副業を推進する企業の心理
このように、人材市場の縮小、雇用する企業の採用パターンの変化、若手人材の働き方の意識の変化など、それぞれのスケールでこれまでにない変化が起きています。そこで、人材を採用し、育成する立場では、どのような取組みが必要でしょうか。
以下のパラグラフでは、「人材」に関する大事なポイントを2つご紹介します。
チームの作り方/スタッフとの関係性構築
如何にスタッフと良好な関係をつくり、効果的なチームをつくれるかが、貴重な人材を生かす上で欠かせない視点です。チームの作り方とスタッフとの関係性構築の際に、大事なポイントを3つご紹介します。
◆スタッフに気持ちよく活き活きと働き続けてもらうために必要なこと
大前提として「経営側と従業員側の意識の溝は必ずある」という事を、理解することが大事だと中山さんは仰います。そして、経営側の視点ではなく、スタッフ自身の心情を常にイメージしながら「適切な情報共有」を行う必要があります。
◆年代によって「心地よい」と感じる関りやポイントが違う
働き始めた時代や社会情勢によって「あたりまえ」は違います。特に、30代より下の若い世代は、働く意識や価値観に大きな隔たりがあります。雇用しているスタッフの年代や経験によって、捉え方が異なるので、その人が心地いいと思えるコミュニケーションを探ることが常に必要です。
◆スタッフとして戦力になってもらうために必要なこと
戦力として独り立ちしてもらうために、必要な取組みは以下のパラグラフでご紹介します。
管理とマネジメント
スタッフが上司の手を離れ、戦力として成長するためには、管理とマネジメントが欠かせません。そこで、管理とマネジメントの違いからご説明します。
◆管理とマネジメントの違い
管理とは「プラマイゼロを割らないようにするアクション」です。一方、マネジメントは「目標の点を定め、その目標に向かってチーム全体を引き上げていく全てのアクション」を指します。管理は企業利益には直結せず、マネジメント業務が企業利益に貢献するという点を、管理者・マネジャーは理解しておく必要があります。マネジメントでは、スタッフの動機付けとなる目標点の設定が必要になり、目標へ導くリーダーシップが求められます。
◆スタッフ育成のステップ
スタッフの育成ステップには、上図のように作業領域と仕事領域があります。新しいスタッフを雇用した際、「定型業務・判断業務」をしている間は、企業の人的リソースを奪っている状態になります。人材確保が難しいこれからの時代においては、作業領域の短期間化が求められます。作業領域を早期にクリアするためには、一緒に考えたり、本人に問いかけたりという力添えも必要です。
◆関わり方としての課題分類と目標設定
企業の課題を3つの捉え方に分類する事により、現状を整理でき、具体的な目標設定が促せるようになります。図左下の発生型課題は、過去のものであり、目標設定をしてもプラマイゼロになる課題群です。一方、探索型課題と機会開発型課題は、企業の利益に貢献する範囲です。スタッフからの課題を正確に分類し、貢献範囲内の課題をマネジメントしていくことで、スタッフのモチベートにも繋がります。
いかがでしたでしょうか。適切な管理によって発生型課題を極力減らし、作業領域の短縮化をしていくとこで、如何に早くマネジメント業務に注力できるかが大切ですね。本日の考え方は、皆さんの職場でもすぐに活用できるものばかりでしたね。まずは、中山さんが仰っていたように、スタッフ目線でコミュニケーションするところから始めてみてはいかがでしょうか。
さて、次回8/28(水)のビジネススクールのテーマは「財務」です。講師には日本政策金融公庫の田中篤さんをお招きします。創業に必要な「資金計画」や損益計算書から「経営の見通し」を立てる方法、「創業計画の立て方」について解説いただきます。
次回で最終回となりますが、次回からの参加も可能です。第1回から第3回までの補講も実施しますので、ご興味のある方はぜひいらしてください!
お問合せや参加申込みはこちらです↓
Tel:0224-61-0234(担当:武智)
Mail:veeell.kkd@gmail.com
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