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【食ing DAYs】DAY6レポート


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2/3に【食ing DAYs 】DAY6がGomboppaで開催されました!

今年度の「かくだ創業スプラウト」では、食の創業支援を目的とし、「食×〇〇」をテーマとする連続レクチャー「食ing DAYs」を毎月開催しています。



【食×美味しく、人が集まる場所の作り方 】


今回はゲストに「株式会社都市設計」取締役ブランディングディレクターの氏家滉一様をお招きしました。実は、角田駅コミュニティプラザは氏家さんの父親が設計したというご縁があります。氏家さんは主に東京と仙台の2拠点で、まちづくりのグランドデザインや地域資源を生かしたブランディング、企業などの企画プロデュース等、多岐に活躍されています。

最近では仙台に、食と遊びで未来を志向する実験広場「EKITUZI」をプロデュースし、コンテンツとして「食」を生かし、人が集まる「場所」を実現されています。氏家さんの話を聞ける貴重な機会となった今回は、市外からの参加者も多く、県外から参加される方もいたほど、大人気の回となりました。

そして、氏家さんが今回の食ingDAYsで皆さんに最も伝えたかったことは、「自分1人で完成型を目指すのではなく、そこで起きる様々なことに寄り添って、小さい所から始めていくことの大切さ」でした。その部分をうまく伝えられるように、レポートしていきたいと思います。



人が自由に楽しんでいる顔が好き
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「株式会社都市設計」取締役ブランディングディレクターの氏家さん

DAY6はこんな言葉から始まりました。「今日のワークショップはこれをやったら売上が10倍上がる、年収が1億超えるという話ではありません。皆さんにできるだけ色々な場作りのアイデア、イメージをお伝えしますので、皆さんで一緒に考えていただければと思います。」


多彩な経歴を持つ氏家さんのスタートは音楽業界でした。実は、普段の講演では自身の音楽業界時代のエピソードは話さないそうです。今回に限っては、こちらから普段聞けない経歴もお話も話しください!とオファーしたところ、特別にお話していただきました。大手レコード会社に入社すると、ディレクターとしてアイドルからロックバンドまで手掛けます。音楽どっぷりの生活を過ごしていたとき、外に開かなくなったロックがつまらなってきて、モバイルサイトやイベントのプロデュースなどへ活動の幅を広げます。更に、丸の内の朝の時間の学びの場を通じてコミュニティを形成する丸の内朝大学のイベント等を企画しました。


多くのフィールドで活躍されている氏家さんの原動力は、人が自由に楽しんでいる顔が好きなので、自分がやることに関しては楽しさを追及しているところにあります。例えば、まちづくりをするときに、課題解決から入ってしまうと、どうしても眉間にしわが寄ってしまいます。氏家さんは、楽しいと思ったことをやったほうがいいと伝えます。現在の興味の中心は東京と地域を結び、将来的には東京を通り越して世界に結び付けることも視野に入れているそう。氏家さんが実際にまちづくりをやってみて分かったことは、ハードとソフトを組み合わせることで、やれることが何倍も広がるということでした。これからの時代、そうしたことが大切になってくると、氏家さんは皆さんに体験を共有してくれました。




食×音
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飲食店とBGMの関係について説明する氏家さん

話は食ingDAYsのテーマ「食×〇〇」に移ります。今回、氏家さんには「食×コミュニティ」、「食×まち」、「食×コミュニケーション」など、他地域での様々な先進事例を紹介していただきました。全て紹介したい所ですが、ここでは、音楽業界出身の氏家さんならではの「食×音」の事例を紹介したいと思います。


氏家さんは、飲食店はBGMとの関係が高く、以下の3つの効果があると言います。

1.マスキング

2.イメージ誘導効果

3.感情誘導効果


その中でも大事なのはマスキング(※1)です。例えば、お店が大通りに面しており、車の騒音がうるさい場合、BGMをうまく合わせることによって2つの音の周波数が近いと、騒音を隠すことができるのです。近くの席の人たちの話し声や、スタッフ同士の会話など、気になる音も遮断してくれます。


更に、BGMはイメージ誘導効果、感情誘導効果があるので、アップテンポの音楽ではお客様の飲食のスピードが上がります。落ち着いたクラシックなどの音楽ではお客様の満足度が上がることにより、使うお金が増えると言います。そのため、BGMの特性を利用し、混雑時にはアップテンポの音楽を掛けてお客様の回転率を増やし、逆に、席が空いてきたらクラッシックの音楽を掛けて、お客様の滞在時間を増やすことができます。BGMでお客様の飲食を調整しているお店が存在すると氏家さんは話します。


これらはガストロフィジクス(※2)とも言われ、美味しさの理由は環境によって感じ方が違うといいます。飲食店やお店を経営している方は、普段、何気なく流しているBGMをこの3つの特性を活かして使用してみてはいかがでしょうか。お店のコンセプトやお客さんの属性に合わせて、どのような雰囲気を作りたいのか、お客様に料理をどのように楽しんでほしいのかをイメージしてBGMを選曲することが大切です。


※1 ある音(騒音)をある音(BGM)で隠してしまうこと

※2 ガストロノミー(食の科学)とサイコフィジクス(精神物理学)を合わせた造語



文化を伝える
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氏家さんがプロデュースした「EKITUZI」©EKITUZI

氏家さんは2年前から仙台駅の遊休地期間限定活用プロジェクト、『食と遊びで未来を志向する実験広場「EKITUZI」』をプロデュースしています。EKITUZIは仙台駅東口再開発のスケジュールで営業期間が2019年3月までと決まっていました。短期間でブランディングし、収益を上げることはなかなか難しいと思ったので、EKITUZIを通じてやりたかったことは3つの文化を伝えることでした。


その文化とは、外飲みの楽しさを伝える、フードトラックの可能性を広げる、チャレンジする楽しさを伝えること。東京と仙台の2拠点で活動している氏家さんは、東京に比べて仙台は、外飲みを楽しむ文化が少ないので、どんどんみんなが外に出て、気軽に公園のベンチなどで飲んで盛り上がる文化を作りたいと思いました。更に、東京ではキッチンカーが集まるイベントなどが開催され、多彩なメニューで賑わっています。フードトラックの文化が根付いてくれると、例えば、夜の空いている駐車場にフードトラックを置いて、周りでみんな盛り上がっていれば、夜の暗さがなくなり、場所代も駐車料金だけで済んだりするのです。そして、東京では空き地などにフードトラックを置いて賑わいを生み出すことによって、フードトラックに参入する若い人たちが出てきます。東京と同じような風土ができれば、仙台も街なかの空いている隙間を有効活用できる面白い街に変わると伝えます。


この1年間でEKITUZIの商談数は352件、運営したイベント数は267件に至ります。音楽は大体全ジャンル、ポップアップショップ、まちづくりコミュニティ醸成、自治体コラボ、駅前でのチャレンジ応援「アキナイベース(学生の起業家支援)」など、幅広い分野のイベントがEKITUZIで行われました。弊社のキッチンカー「枡の屋」もEKITUZIに一定期間出店し、角田市の美味しい食材を提供。食を通じて角田の魅力を発信しました。


普通に考えたら、1年間で267件のイベントを実施するのは無理です。どのようなからくりがあるのか氏家さんに聞くと、「全て自分らでやったら絶対無理です。死んじゃいます。自分たちで実施したのはイベントは100件ほどで、あとは周りが勝手にやってくれました。食が中心にあったからこそ、周りの人たちが勝手にイベントを起こしてくれたんです。」と答えていただきました。氏家さんの元には次々とイベントが持ち込まれ、色々な方が自由にチャレンジする面白い状況になりました。更にEKITUZIがきっかけで新しく始まった商いが63件、そこからお店を出した人が3人も出たのです。すごい!


コミュニティを育てるには、最初から一つの方向にもっていこうと決めるのでなく、そこで起きる様々なことに寄り添っていくことが大切です。EKITUZIは様々なジャンル、人が集まる場所となったことで、多様な人々が織りなす様々な化学変化を楽しめる場所になったのです。最初から完成型を目指すのでなく、生態系を構成するそれぞれの部分を調和させることで、全体も自然に調和されていきます。氏家さんがEKITUZIで3つの文化を伝えていったことで、自然と周りから化学反応が起きていきました。EKITUZIの営業が3月で終了したあとは、仙台市営地下鉄 国際センター駅の2階部分の運営を担うことになった氏家さん。ここでも周囲を巻き込んで新たなコミュニティ、文化を作っていかれることが、今からとても楽しみですね!




私たちの食×〇〇
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私たちの「食×〇〇」について語る参加者たち

最後に、氏家さんは参加者の皆さんに対して、ワークショップを行いました。角田もしくは自分の近くにあった方がうれしい食の場所のアイデアはありますか?たとえて言うなら「どこのような場所」ですか?、それを作るためにはどんな人たちに関わってもらうことが必要ですか?と質問すると、参加者の1人から、地元の地域に対してこんな熱い想いが出てきました。


私は「星空レストラン」をやってみたいです!


角田市はJAXAという宇宙と関係する施設があります。でも、なかなか宇宙のまちだということを感じてもらえません。市内にはスペースタワー・コスモハウス、H-Ⅱロケット実物大模型が建っているので、その場所で「星空レストラン」というものをやってみたいなと考えました。天体を気軽に知ることができて、角田の食材を活かした料理を楽しむことができる。そんな空間を創りたいと思っています。仙台市など、光が多い所であると、空を見上げても天体をきれいに見るということがなかなかできませんが、周りに建物がなく、暗いからこそできることが逆にあると思います。角田市が宇宙のまちだと知ってもらえるような空間ができればいいなと思っています。


参加者からの熱い想いに対し、氏家さんは、「無茶苦茶すぐにできるんじゃないですかね。ぜひやるべきだと思います。1年以内にやってください!」とアドバイスします。仙台ではできないけど、角田でできることってありますよね。まちづくり、場作りにおいて大切なことは、チームを作っていくことです。自分1人でやろうと思ってはいけません。このように、声を上げることが非常に大事です。行政がやらなくても、大企業がやらなくても、民間だけでも様々な面白いことをすることができます。その方が温度感が伝わり、面白いことができるということを思っていただければうれしいです。小さい場所からどんどん始めていくことが大切ですと皆さんにアドバイスし、DAY6を締めていただきました。


今回のテーマは「食×美味しく、人が集まる場所の作り方」でした。お店を経営しているので人を集めたい、共通の趣味や想いを持つ人が集まる場にしたいなど、それぞれ熱い想いを持っている人は多いはず。でも、実際に人を集めることが大変だったりします。人口が多い首都圏ならまだしも、地方では人を探す、集めること自体が大変です。


それでも、今回、会場のGomboppaがある角田市に、市内外から様々な想いを持つ人が集まりました。最後のワークショップでは、それぞれの想いを言葉にし、星空レストランをやりたいです。野菜を食べれて収穫体験できるお店が近くに欲しいです。と声を上げると、周りからすぐできますね。やりましょう!そのような計画をしている人がいるんですよ。と次々と声が上がり、その場ですぐにコミュニティができました。まさに氏家さんが言っていた通り、想いを声にすることによって、その場で面白いことを共有した一体感が生まれたのです。


ご講演後の懇親会でも、星空レストランいいですね。いつやるんですかとコミュニティができた今回。今回の参加者同士が協力し、新たな場が生まれる日は近いかもしれません。今後も食ingDAYsを通じて、皆さんと一緒にそのような場を提供できたらいいなと思います。そして、終電の時間まで付き合ってくださった氏家さん、ありがとうございました!


氏家さんのご活躍はこちらから↓

「株式会社都市設計」http://toshi-arc-design.jp/

「EKITUZI」http://www.ekituzi.jp/

「WEプロジェクト」http://we-sendai.jp/

「丸の内朝大学」https://asadaigaku.jp/



 


次回2019年2月24日(日)DAY7のゲストには、「ミライトス株式会社」代表取締役であり、綴caféオーナーでもあります鈴木圭介様をお招きします!地域の魅力を商品開発や飲食店の経営という形で発信している鈴木さんに、買い手・売り手・作り手それぞれの目線で考える、お客さんの「ニーズ」と「欲しい」に応える商品づくりの考え方をお話いただきます。「食」はもちろんのこと、自営業の方や自社商品やサービスをもっと多くの方に手にとってもらいたい!という方は必見です♪


詳細は以下のリンクをご覧ください♪

https://www.sprout-kakuda.com/blog/shokking-days-day7



Writer profile

舟山 直道。veeell Inc.マネージャー。

角田市地域おこし協力隊としても活動。veeellと協力隊業務を日々掛け持ちながら奮闘中。

野球とバスケ好きな小ネタ王子。推しメンは横浜DeNAベイスターズの熊原 健人選手。

2018年、角田市でメディアに出演している数が最も多いTVスター(自称)

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