【食ing DAYs】DAY7レポート
2/24に【食ing DAYs 】DAY7がGomboppaで開催されました!
今回のゲストは、「ミライトス株式会社」代表取締役であり、「綴café」オーナーの鈴木圭介様をお招きしました! 地域の魅力を商品開発やブランディング、飲食店の経営という形で地域の発展に貢献されています。また、かくだ創業スプラウトの「食」の創業支援の別プログラム「社長料理人への道」の講師としてもご活躍いただきました。
【食×「ニーズ」と「欲しい」に応える商品のつくり方】
DAY7では鈴木さんに、買い手・売り手・作り手それぞれの目線で考える、お客さんの「ニーズ」と「欲しい」に応える商品づくりの考え方をお話いただきました。その前段として、商取引のターゲットとマーケティングの基本的な考え方にも触れていただきました。鈴木さんが提唱する大上段に構えずに、コストをかけずに、まずやってみる商品の作り方をこのレポートでお届けしていきたいと思います!
「食」はもちろんのこと、自営業の方や自社商品をもっと多くの方に手にとってもらいたい!という方は必見の内容となりました♪
BtoBとBtoC
まず鈴木さんが話されたのは、
「身の回りにはおしゃれな商品がいっぱいあります。だけど、難しく考えなくても大丈夫ですよ。」
という、参加者の方の肩肘をほぐすような言葉でした。次は、商取引の形態としての基本的な分類です。本日の商品の考え方の前提にもなる考え方で、有名な以下の2つのお話から。
① B to B
( Business to Business )
② B to C
( Business to Consumer )
BtoBは、ビジネスの相手が企業で、BtoCはビジネスの相手が一般消費者ということですね。この用語について、もちろん知ってるよ!という方は多いかもしれませんが、その特徴まできちんと把握されているでしょうか?以下が鈴木さんのま
とめです。
① B to B ・ニーズ【さまざま】 ・ウォンツ【代行】
② B to C ・ニーズ【感動】 ・ウォンツ【さまざま】
ニーズとは 抽象的欲求で、必要のある充足状態が不足している状態 のことです。ウォンツは具体的欲求で、ニーズを満たす特定の物が欲しいという欲望ということになります。たとえば、電動ドリルを買う行為のウォンツは、商品としての「ドリル」、ニーズは「穴」といいうことです。
ほとんどの方は、商品を売るというとBtoCを思い浮かべますが、BtoBも柔軟に考えてみましょう、という鈴木さん。BtoBの場合のニーズは、企業にヒアリングすると把握できるので、多様な個人のニーズのあるBtoCに比べると意外と考えやすいんですね。それぞれの特徴を押さえて商品のターゲットを企業にするのか、一般消費者にするのか。ターゲットの軸足をどちらに置くのか、ここから考えることが大切です。
プロダクト・アウト⇔マーケット・イン
いよいよ商品の作り方の話になりますが、ここでもまずは前提のお話から。
◆ プロダクトアウト型… 製品のアイデア(シーズ)をもとに、研究開発された商品
◆ マーケットイン型… 市場のニーズをもとに、製品開発された商品
ほとんどの方や企業はプロダクトアウト型の商品開発が多いかと思います。マーケットインの市場調査って難しいですものね。では仮に、マーケットを正確に調査できる手立てがあれば、マーケットインで商品開発をするのがいいかというと、そうとも言えません。この2つの概念は対比的に語られることが多いですが、どちらも意識した商品をつくることが大事です。
鈴木さんは、プロダクトアウトで試作品をつくってみて、マーケットにインしてみて、得られたフィードバックをもとに修正することを推奨しています。このサイクルを回していくことが大事です。そして、商品開発は満を持しすぎずに、とりあえずやってみて、柔軟に変化(トライ&エラー)できるように考えます。大上段に構えずに、トライすることに重きを置きましょう。
作り手/売り手/買い手 それぞれの目線で考える
次に、今回のサブタイトルにもなっている「作り手/売り手/買い手」のトピックです。それぞれの目線をまとめてみます。
◆ 買い手目線 ◆
「こういう問題を解決したい」「こういう商品が欲しい」
顧客のニーズやウォンツに応える商品づくり
◆ 売り手目線 ◆
「売りやすい」「陳列しやすい」「回転はやい」「ロス少ない」
売り場の要望に応える商品づくり
◆ 作り手目線 ◆
「コストをかけない」「在庫を抱えない」「手間をかけない」
これらの目線を眺めてみますと、それぞれの立場によってニーズがまったく違うことがよく分かります。これらの全ての要望に応えた完璧な商品をつくることは、なかなかハードルが高い作業だと思います。そこで大事なのが、プロトタイプをつくってみるという先ほどのお話し。マーケットに投入し、気付きを回収することで商品の精度を上げる方法が有効になってきます。さらに鈴木さんは、特に小規模で販売する場合には、マーケティングよりも営業のほうが重要だと仰います。鈴木さんも日ごろから営業されていますので、その営業での情報収集、情報交換がマーケティングそのものになっているんですね。顔の見えないウェブ上の一般消費者のデータよりも、売り場や売り先の生の情報ほど確かなものはありません。
商品コンセプトではなく、ブランドをつくる
最後は、商品を通して、誰に、どのような価値を伝えるかという商品開発のキモになる部分です。DAY7もいよいよ大詰め。そこで、一般的にまず考えるのが商品コンセプトです。ところが、鈴木さんはまず考えるべきは商品ではなく、ブランドをつくるという考え方をもつとコンセプトやメッセージを考えやすいといいます。最も重要なのは、自分または自社の商品が「選ばれる」ということです。これだけいい商品が溢れている世の中で、他の商品ではなく、自分の商品が選ばれる価値はどこにあるのか。自分または自社のオリジナリティやアイデンティティからブランドを考えることで、ムリの無いコンセプトを見出すことができます。オリジナリティの部分を置き去りにした商品開発を進めてしまうと、自分の複数の商品を並べたときに統一感はなくなり、他の商品に埋もれてしまう可能性が高くなります。ブランド価値を定め、そこから商品によってコンセプトを設定していくことが、消費者の「ニーズ」と「ほしい」に応える商品となっていくのですね。
ブランディングの考え方は、「社長料理人への道」DAY7鈴木さんのレクチャーのレポートに詳細がありますので、ご興味ある方は下のリンクを覗いてみてください。
https://www.sprout-kakuda.com/blog/syacho-ryoronin-day7-part3
今回はいつにもまして質問が飛び交い、活力溢れる食ing DAYsとなりました!鈴木さんの相変わらずの分かりやすいお話や柔和な雰囲気もあって、とてもいい雰囲気でイベントを進めることができました。そして、イベント終了後の懇親会も盛り上がったのはもちろん!なのですが、まさかの飛び入りでの稲葉さんの登場!そうです、DAY3講師だった稲葉さんがわざわざ角田まで駆けつけてくださり、スペシャルな夜となりました♪鈴木さんはもちろんのこと、稲葉さんもありがとうございましたー!
鈴木さんのご活躍はこちらから↓
「ミライトス株式会社」|https://miraitos.co.jp/
「綴café」|https://tsuzuri.jp/
次回は今年度ラストの食ingDAYsとなります!3月17日(日)DAY8のゲストには、「UM PROJECT」共同代表の西城和人様をお招きします! 現在は Webマーケティングのコンサルや事業の仕組み化を提供することで、地方創生を軸とした事業立上げに奔走し、地方で起こる問題の解決方法を提案されています。地方に入り、技術を提供することでその土地の方たちがwebを活用できるサポートも行われています。
今後ますますオンラインでのビジネスが発展していくであろう今日において、まさにweb活用に悩まれている方には打ってつけです!在宅のママさんにも仕事の種になるかもしれない今回、ぜひ振るってご参加ください \(^▽^)/
詳細は以下のリンクをご覧ください♪
Writer profile
武智靖博 veeell Inc.ディレクター
中国上海での建築設計活動を経て、故郷の角田へ。
現在はコワーキングスペースGomboppaの番人。いつも年齢より若く見られる童顔王子。旅先の岩手の飲み屋で学生だと思われ、さすがに意気消沈。
押しメンは今までもこれからもロベルト・バッジョ。
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