【社長料理人への道】DAY4レポート-part1-
DAY4:食に関するレクチャー&ワークショップⅡ
本日より、いよいよ経営者目線の講座内容へと移行していきます。
その始めに、店舗コンセプトをワークシートを利用して考えていただきます。これまで取り組んできたリーンキャンバスよりも具体的な店舗像を描いていきます。
午後には仙台市の株式会社原価市場の三塚晴紀様をお招きし、メニューについての考え方をレクチャーしていただきます。他では経験できない詳細な内容ですので、我々運営スタッフも非常に楽しみにしていました!!
店舗コンセプトについて
先ず、コンセプトとは開業するお店の基本的な骨組みです。このコンセプトが明確でないと、曖昧なイメージでしか自分の店舗を捉えることができません。
逆にコンセプトが明確になっていれば、お客様へのサービス、メニュー、内装や調度品などが一貫した設えとなり、お店に統一感が生まれます。そうすることで、お店の個性がお客様により伝わりやすくなります。
飲食店を開業する前に決めることはいくつもありますが、その中でも重要なのが「コンセプト」です。成功するかどうかのひとつの決め手にもなると言われています。どのように決めればいいのか、本日はそのコツやコンセプトの基本的な考え方についてご紹介したいと思います。
①アイディアをたくさん出してみる
とにかくコンセプトの基盤となるアイデアをたくさん出してみましょう。「アメリカンテイストのカフェにしたい」「地元の食材を美味しく料理して提供したい」「話題のスイーツを取り扱いたい」など、どういったイメージのお店にするか、どんなメニューを出すかを大雑把で構いませんので、考えてみましょう。自分の好きなメニューやお店の雰囲気、最近流行のグルメや話題のスイーツなどのトレンド情報など様々な飲食店の情報をチェックして、自分がどんなお店を開いてみたいのか考えていきます。
②コンセプトを決める順番
飲食店のコンセプトは複数の項目がありますが、メインとなる項目は概ね以下3項目になると思います。
・何を売るか? ・ターゲットはどんな人たちか? ・どのエリアのどの物件か?
皆さんそれぞれ売りたいものが決まっていたり、場所が決まっていたりと様々かと思いますが、 コンセプトを決めていく流れは、それぞれの経営者によって異なってきます。自身が考えているメイン項目を中心にして他の項目を考え、柔軟に調整をかけながら全体のコンセプトを最終決定していく方法が現実的です。
③5W3Hを考える
どんなアイデアの元にお店づくりをするかを決めたら、具体的なコンセプト作りの元となる骨組みを作っていきましょう。そのためには5W3Hで考えることがポイントとなります。
・なぜそのジャンルの飲食店を開業したいのか?why
・何を売るのか、主力商品はどんなものか?what ・いくらで販売するか、全体的な価格帯は?how mach ・どのエリアのどの物件で開業するか?where ・メインターゲットはどんな人たちか?who ・どのような販売戦略をとるか?how
・雰囲気や接客レベルはどの程度でどんなスタイルか?how ・営業時間はいつどのくらいの長さか?when
今回は店舗コンセプトワークシートを利用して、上記の5W3Hをもとにコンセプトメイキングしてもらいました。
漠然と考えていてもなかなか前に進みません。頭の中でイメージできたことは、実際に紙やPCで言葉にして記録していくことが大切です。写真を撮るなどしてイメージとして記録するのも効果的です。
改善すべき個所は何度も加筆修正を繰り返し、より現実的で成功をイメージできるレベルにまで引き上げていきます。すでに繁盛している他店を、自分なりの分析でコンセプトシートに落とし込んで研究してみるのもとても効果です。
コンセプト作りが進めば、それぞれの項目に矛盾がないか、整合性が取れているかどうかをチェックしながらさらに精査していきましょう。そして、このコンセプトができれば、メニューの価格設定や内装や外装などの細部を決定する際の確かなツールとなります。
お店をつづけるために
午後からのレクチャーは、株式会社原価市場の三塚晴紀さまにバトンタッチ。
仙台市で飲食店5店舗を経営され、現在は東京でも飲食店のアドバイザーとして活躍されています。
三塚さんは独立されてからの6年間で、なんと25店舗の開業に携わってきたそうです!しかも仙台市の「みつくら」という店舗で今も調理場に立たれています。
まさに、社長料理人を地で行く御仁です。
ちなみに「みつくら」には、私もお邪魔させていただきましたが、と~っても美味しくて、味に対して価格は非常に良心的でした!ミシュランガイド2017に掲載されたのも納得です!ぜひ、機会があればお食事にいかれてみてはかがでしょうか。
さて、まずはこちらの講義で使用したスライドご覧ください。
こちらの数字は、創業後の飲食店の廃業率を表しています。創業してから10年もすると、10開業した店舗のうち1店舗しか生き残らないということです。飲食店は身近にある存在であるために、様々な要因に左右されやすいと三塚さんはいいます。確かに自分の身の回りで10年残り続けているものって少ないですよね。
そして、この時代に飲食店、特に居酒屋が難しくなっている原因として、アルコール離れがあります。若い世代はそうだし、バブルの時代に大量に飲んできた世代は、もうお酒はある程度でいいだろう、となっている。そして飲食店は一度売上げが下がると、上げるのは新規オープンの3倍ツライとおっしゃいます。だからこそ、オープンする前にしっかり考えましょうねという三塚さん。
それでも創業しようとしている受講生を前にして、ツライからおやめなさいと言えません。そこで、飲食店を創業する心構えとポイントがいくつかありました。箇条書きでまとめておきますので、参考にしてみてください。
・経営者は常に勉強が必要
・飲食店を一人でやるのはしんどい
・ある程度のキャパがあるお店で、自分を見てくれるスタッフが必要
・パートナーは奥さんが一番いい
利益のしくみを考える
お店を創業してから継続して営業するために、まず最初にやること。
それは、損益計算です。ポイントは店舗規模を想定した数字であることです。この損益計算をすることで、午前中の講義で行った店舗コンセプトに裏づけをすることができます。
まずはF/Lコストを想定し、店舗の面積を考慮した固定費を求めます。次に損益分岐点の売上げを求め、自分が希望する利益を確保できる売上げを計算します。利益は自分で決めてくださいね。重要なのでもう一度いいます、確保したい利益は自分で最初に決めていいんです。そして、ここで求められた売上げと利益をフィックスしてください。想定した客単価と営業日数を利用することで、売上げから日別来客数を仮定できます。お酒を取り扱うお店であれば、二次会利用も考慮して客単価を高めに設定しておくこともポイントです。
ここまできたら自分がイメージするお店像と折り合いをつけながら、客単価、来客数、席数や回転数などの数字を調整していきましょう。
最低限ここで挙げた項目を正しく把握できなければ、利益は出ません。例えば、試算した日別売上げに対して、席数と回転数に無理はないか?お店の業態に対して客単価は高すぎないか?などを一つずつ検証していくことが大事です。
講義では、三塚さんが受講生のケースをモデルにして、一連の流れを解説してくださいました。非常に分かりやすく、ダメなものはダメ、これはOKと判断根拠を示しながらのレクチャーでしたので、私もうんうんと頷くばかり。受講生はなぜ損益計算が重要なのか納得できたかと思います。
長くなりましたのでpart1はここまでにして、メニューについてのレクチャーのレポートはpart2でお届けします!
https://www.sprout-kakuda.com/blog/syacho-ryoronin-day4-part2
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