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【社長料理人への道】DAY7レポート-part3-


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Part3では、商品開発を考える上でのコツを学びます。このワークでは鈴木さんが今まで手掛けてきた商品の実例を踏まえながら、商品の販売価格を設定する上で抑えておきたいポイントや、ブランドコンセプトの考え方を学びます。最終講義となるので、インプットする時間はこれが最後になります。受講生たちはより一層真剣に耳を傾けます。

意外と知らない価格設定

先ず、販売価格を設定する上でのポイントを学びます。価格を設定する方法は様々ですが、販売価格とは、原価に利益を加えた値段です。飲食店経営者は、原材料費と人件費の2つのコスト管理を行って利益を得られるように販売価格を設定する必要があります。分かりやすいように例題を使って解説していきます。


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原価が550円掛かる商品があります。その商品をいくらに設定して売れば良いのか考えます。例えば、700円に設定して販売すると、150円の利益ができます。一見利益が出るので、価格を700円にしても大丈夫と思いがちです。ここで注意すべき点として、商品によっては業者に卸売りをする場合があるということです。

例えば、原価が550円なので、小売りの場合であれば、定価を700円に設定して販売しても150円の利益が出るので、定価を700円に設定しました。しかし、この価格で卸売りをした場合、7掛で卸すと、700×0.7=490円になってしまうので、原価を下回り、売れば売るほど損をしてしまう計算になってしまいます。そうならないためにも、商品の定価を設定する際には、小売りの価格だけでなく、卸価格も想定して価格設定をすることが必要です。最初は小売りから始めるのが主かもしれませんが、規模が拡大していくと業者に卸売りをする機会が出てくるかもしれません。その場合を想定して、設定した定価から7掛や8掛で卸したときにいくらの利益になるのか試算して価格を設定しなければいけません。


また、商品やサービスによっては、自分自身で商品をパック詰めする時間や、作業したときに発生する光熱費などの間接的な経費もかかります。インターネット通販をする場合は、梱包代や送料、クレジットカード決済の手数料などを店舗側で負担するので、それらを踏まえた価格設定にすることも重要になります。物販の場合、包装の原価は商品の価格の7%~12%が一般的で、包装も含めて原価を4割以下にすることがポイントです。商品によっては包装の方が高くなる場合はあるので注意が必要です。これから実際に自分のビジネスプランを商品化していく上で、色々な観点から原価、定価、利益の設定をしていきましょう。



プロモーションとしてのブランドイメージ
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自身の経験談も踏まえての講義

次にブランドイメージについて学びます。ブランドイメージは社会や消費者が持っている商品に付与されるブランドに対するイメージのことを言います。市場の中に自店のブランドイメージをどのように発信していけばいいのか、鈴木さんが実際に手掛けた事例を基に、受講生の皆さんにポイントとなる部分を共有していただきました。


宮城県女川町の企業にブランド提案したときのお話です。まず、鈴木さんが行ったことは市場のポジショニング分析です。ポジショニングする目的は、自社と競合との価値提供の違いを明確化し、競合と差別化することです。こちらは、前回のDAY6でSTPのフレームを使って学びましたよね。ポジショニングは縦と横の2軸に分けて自社の製品をどこに位置付けるか明確化します。この場合は、縦軸をハイソサエティ(ギフト・高級感)、パブリック(家庭の食卓・一般向け)、横軸をコンサバティブ(昔ながら・本物志向)、トレンディ(おしゃれ・革新的)、に分けました。市場を分析すると、他の競合はハイソサエティ、トレンディの層に多く位置していました。そこで鈴木さんは、他社と同じようにトレンディを求めるのではなく、コンサバティブの層の所にポジショニングすることを提案しました。企業のオリジナリティに自信と誇りを持ち、素朴でありながら、本物の美味しさと笑顔を届ける方向で価値を伸ばすことが差別化になると考えたからです。


ブランドイメージを作っていく上で大切なことは、先ず、自社商品やサービスが必要とされる市場はどこなのか、どの市場を狙いたいのか定めることです。そのあとに、定めた市場で有効とされるブランドコンセプトを作り、世の中にブランドメッセージを伝えていきます。

ここで大切なことは、例えば、高級感を目指すのであれば、その層に響くブランドコンセプトやブランドメッセージを作り、商品のネーミングやパッケージを作っていくことです。

市場はハイソサエティに定めたのに対し、コンセプトやメッセージをパブリック向けにしてしまうと、どちらをターゲットにしているのか統一感がなく、メッセージが曖昧になり、ターゲット層にはうまく提供価値が伝わりません。そのため、ポジショニングで定めた市場に併せたブランドコンセプト作り、ブランドメッセージ、ブランドネーミング、パッケージ、価格設定、プロモーション全てをブランドイメージに集約させ、統一感を出すことが、社会や消費者にブランドイメージを正確に伝える要因になります。


コンセプトの作り方はPart1のコンセプトメイキングで学んだように、自分のオリジナリティは何なのか、思いついたことを書き出して、その中から出てきたキーワードを大きく3つのテーマに抽出すると、コンセプトが作りやすくなります。コンセプトを考えながら、自分が伝えたいことをうまく商品に落とし込めると尚良いと、鈴木さんは話します。




質疑応答
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受講生からの質問に答える鈴木さん

ここで一旦、ブレイクタイムです。ここまでのワークを振り返り、受講生の皆さんとスタッフが鈴木さんに聞きたいことを色々と質問してみました。


◆スタッフ◆

収入源を1本だけでなく、複数持ってた方が良いということが分かりました。自分が持っているアイデアが沢山ある中で、全て同時に始める必要はないんですよね?状況を見ながらやっていくのが理想的ですか?

鈴木さんコメント

1度にはできないと思います。状況を見ながらやれる事から無理せずにやっていくと良いと思います。1つのことがうまくいかない場合は、もう1つことにシフトして行うのも良いと思います。ムダ・ムラ・ムリなのは良くないです。一時的にやれても継続できないことがあります。


◆阿部良一さん◆

継続するのが難しいですよね。

鈴木さんコメント

そうです。一時的にお客さんを集めることができても、集客を続けていくことは難しいです。お店を始めると一気に現実になりますしね。1日目からこれが現実かと実感することもあります。あまり自分1人で頑張りすぎずに、周りの人を巻き込んでやっていくのが良いと思います。


◆スタッフ◆

色々な商品開発に関わってきたと思うのですが、いざ、商品を開発して実際に売りましょうとなったとき、プロモーション、広告宣伝をするステップに入ると思うのですが、気をつけている所や考えていることはありますか?

鈴木さんコメント

当然、メディアにプレスリリースを出すなど、色々やるのですが、僕自身のスタンスとしては、もちろんマーケティングも大事ですが、今は営業の大事さを感じています。地道ですが、お客さんに直接どうですか?と伺って、お客さんのニーズに合わせて形を変えて売り込むこということが大事だと思います。かつ、できることは全て出しておくと良いです。例えば、綴カフェはお弁当をやっていますが、もし、ホームページに掲載していなかったとしたら、お弁当やっていますか?と聞いてくる人はあまりいないと思います。お店がお弁当やっていますと情報を出しておくと、お客さんがお弁当を頼んでみようとなります。そのため、やっている内容は○○やってますよ!とお店やホームページに掲載した方が良いですね。出していない人にやっている?と聞く人は少ないですので。

また、ホヤを仕入れて売っているおじさんがいるんですが、その人の売り方は面白いです。飲食店にホヤを卸しているんですが、ホヤどうですか?という売り方ではなく、ホヤしゃぶという食べ方を考案し、「ホヤしゃぶ美味しいですよ、実際に食べてみてください」と飲食店に食べ方自体を提案しています。一手間加えて、食べ方を提案することで、ただ単にホヤどうですかと売るよりも、どんどん売れました。売り方を工夫することも大切です。



視点は一つじゃない
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最後に受講生のみなさんに鈴木さんからエール

最後に、鈴木さんが実際に売り場や展示会のお手伝いに行かれた際に、ヒントになったことを皆さんに伝えてくれました。ある蒲鉾屋さんのお話です。揚げ蒲鉾の需要が少なくなってきて、売り場の面積も減ってきていました。需要が先細っている中で、どうやって生き残っていくのか考えていたとき、ふと目に留まったのが出展者向けのアンケートでした。


そのアンケートには、「今後、自社製品を訴求していきたい対象を選択してください」という項目がありました。この蒲鉾屋は小売りが主な対象でした。しかし、小売りだけで何とかしようという目線だけでは、視野が狭くなりがちです。鈴木さんは、今までの小売りだけではなく、中食はどうか、外食はどうか、関係ないと思うけどスポーツ施設はどうかなどと、色々な視点からから新しい販路を考えてみました。その結果、考案したのはスーパーマーケットのお惣菜コーナーの所に、蒲鉾を肉団子にして中食として販売する方法でした。中食はいわゆる持ち帰りなので、お家で温めて黒酢あんをかければ美味しいヘルシーな肉団子を食べることができます。という方法です。実際、販売してみると、想像していたよりも引き合いがあり、売上が伸びたといいます。


このように、1つの視点だけでなく、視野を広げて色々な角度から考えてみることも大切です。最近、受講生の皆さんが共有のスレッドを立て、実際に訪れた他地域のお店のメニューの情報等をシェアしています。1人で自分のビジネスプランを考えていると、どうしても視野が狭くなりがちです。インターネットで参考になりそうなお店を調べてみたり、実際に足を運んで自分の目で見てみたり、家族や友人、お客さんからの意見をもらうこともいいでしょう。色々な窓口からヒントを得ることで、新たな可能性を見出し、自分のビジネスプランに思いもよらなかった活路を見出すこともあるはずです。



Part3はこれで以上となります。今回が最終講義となる受講者に対して、鈴木さんは今まで行ってきた各ワークを振り返りも含めて、自身が経験した事例を踏まえがら商品コンセプト、価格設定、プロモーションの部分の内容をぎゅっと詰めて1日かがりでレクチャーしていただきました。12月9日(日)に最終発表会に向け、自分のビジネスプランを深化させている受講生にとって、今までの講義内容も改めて振り返り、インプットできたことは得るものが多かったのではないでしょうか。鈴木さんは受講生のこれからの活躍の期待を込めて、今回の講義内容にしてくれたのかもしれません。鈴木さん、今回はイレギュラーな丸一日分の講義ありがとうございました! !



 

次回の開催はは12月9日(日)となります。

「最終ワークショップ&発表会」

10:00~15:00 @Gomboppa

次回はいよいよ最終発表会です。リーンキャンバス、店舗コンセプト、創業計画書を作成してきました。次回はこれまでの内容を整理し、1月のイベントでの発表を想定したプレゼンを行います。

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