【社長料理人への道】DAY4レポート-part2-
損益計算をして、お店の輪郭が見えてきたところで、いよいよメニューについての考え方となります。DAY4の前半部分(店舗コンセプト、お店をつづけるために、利益のしくみ)についてはpart1のレポートをごらんください。
https://www.sprout-kakuda.com/blog/syacho-ryoronin-day4-part1
メニュー作りの考え方
各種試算をして、狙うべき客単価が見えてきた時点でようやくメニュー作りに取り掛かることができます。その価格帯に見合った食材や調理法でなければ、食材原価が高上がりになってしまったり、人件費に経営が圧迫されることになってしまいますからね。
ここで三塚さんが提示したのは6つの項目です。非常に分かりやすくシンプルなものなので、汎用性が高いと感じました。それぞれの項目について、三塚さんに解説していただいた中から、エッセンスだけを抜き出してお伝えします。なお、ここからの内容は三塚さんのお店の業態である居酒屋を前提としたものになります。
①季節感:季節感をメニューに取り込むのは、マンネリ防止とお客さんを飽きさせないため。大事なのは誰でもわかる食材を利用すること。
②素材:有名でない食材を使用するときは、メジャーな調理法で。
③調理法:調理法は人件費に直結するので、お店のキャパやスタッフの人数を考慮する。
④食材のカテゴリー別:メインメニューとサイドメニューの比率を考える。
⑤全体のバランス:全体のバランスは、お客様を飽きさせないメニューやサービス、作業工程、人件費、オペレーション、利益を出せるかをトータルで判断する。何をメインのメニューにするのかと、どのメニューで利益をあげるかは分けて考える。
⑥価格設定
一般的に価格は原価の3倍。メインメニューにちょい足ししてオーダーできるものを用意しておくことが大事。
三塚さんの話しぶりもだいぶ熱が入って90分ノンストップ!
ここでいったんブレイクです。
売れるメニュー作り
次に、売れるメニューに必要なポイントは以下の4点です。こちらもエッセンスをピックアップしていきます。
①お客様を呼び込むメニュー又は手段
「食べたら分かる」はダメです。来てもらうまでが大変。伝わってはじめて価値になる。伝わらなければ、世の中に存在しないのと一緒。どんなに美味しい料理を準備していても、伝わらなければダメです。来店してもらったとしても、世の中美味しいものだらけなので、ちょっと美味しいだけではダメ。食べたらどういう良いことがあるのかが大事で、そこを考える。食べた先のイメージを共有してもらうために、SNSで積極的に人の笑顔がある写真でアピールする。つまり、SNSで発信すべきは、主役となるもの(料理やサービス)に食べた人がどうなるかのストーリーをのせた情報です。
②実は2番目に売れる物、売りたい物が大事
主力メニューはお店の看板なので、いいものを提供するのは当たり前。つまり原価をかける分だけ、利益をあげるのは難しい。そこで、誰もがオーダーするものにこそ、力を入れる。原価をかけるということではなく、盛り方などを工夫することで、値段以上の体験を演出する。必ずお客様にお出しするお通しも大事。こういったところでお店の力が試される。
③名物料理(その店でしか食べれない物)
ほとんどの飲食店では、その店でしか食べられない物があるということはありません。これがあるということは本当にすごいこと。あるのであれば、効果的に情報発信すべき。ちなみに受講生の佐藤真紀さんのお店(カフェつぶっこ@丸森町)では、地元の雑穀を利用して商標登録もされた「 六穀米のシフォンケーキ 」があるとのこと。これはすごいことです。その店でしか食べれない物が仮にあったとしても、現在は情報拡散のスピードが早く、すぐに真似されてしまうので、オリジナルを確保し続けることは相当困難。だからこそ、ブラッシュアップをし続けることが大事。
④料理のインパクト、味、質
そもそも料理のインパクト、味、質がなければ、リピーターになってくれるお客様はいません。これはスタートラインです。さらに食材の食べ方の固定観念を取り払うことも大事。例えばホヤ。当日の会場では、7人中1人食べれない人が。ホヤは生で食べるものだというけれど、そう言っているうちは、その1人は絶対に来店しません。味が苦手な人にはその臭みを消す調理法、見た目がダメな人には一工夫した調理法で提供することで、驚きを提供できるかもしれない。そういうものだと言っていては売れないんです。ターゲットを絞ることは重要だけれども、居酒屋の場合は絞り込みすぎないほうがいい。
最後に三塚さんから、業態によってメニューの考え方は様々なので、ひとつの参考にしてください、とのことでした。そうだとしても多くの業態の方に参照いただけるノウハウなのではないでしょうか。そしてメニューについての内容はここまでとなります。
料理に付加価値をもたらすメニュー作りや行動
その後は、質疑応答や受講者さんからの話で盛り上がり、予定時間を1時間もオーバーするという盛況ぶり。そろそろ終わろうとなって三塚さんが一歩踏み出したとき、立ち止まって元の位置に戻りました。最後にひとつだけ、と言って話し出します。その言葉をそのまま記載させていただきます。
これからお客様の前に立たれるみなさん。
商品だけでは売れない時代です。
自分を磨いてください。
いやーしびれました。三塚さんがオープンさせるお店は繁盛し、そこの現場から三塚さんが離れると売上げが落ちるといいます。最大の売れるメニューとは、店主その人自身だということを伝えたかったのだろうと思います。前回にもありましたように、経営者は常に勉強が必要ということなんですね。
三塚さんの講義は笑いあり、ダメだしありと非常に内容の濃いレクチャーでした。講義の後に話を伺うと、初めてのレクチャーだったとのことですが、まったくそうは見えない素晴らしい立ち振る舞い。今日話されたことを常に実践し、おそらく会社の中でも普段からスタッフに伝えているのでしょう。実際に「私、途中から目がやばくなかったですか?ついついスタッフに話すテンションで話してしまいました(笑)」と仰ってました。初対面の受講生に、それだけ本気で向き合っていただいたことに感謝しかありません!
今回講師を引き受けてくださいました三塚さんは、普段「みつくら」というお店のカウンターに立たれています。このレポートを読まれた方の中には、三塚さんにご興味持たれたかたもいらっしゃるかと思います。仙台で経営されている店舗公式HPを下にまとめておきましたので、ぜひぜひ遊びに行ってみてくださいねー♪
〇和酒和食 みつくら
https://mitsukura-sendai.owst.jp/
〇個室焼肉 うしどき
https://ushidoki-sendai.owst.jp/
〇仙台炉端料理 縁側
https://engawaekituzi.owst.jp/
〇立ち食い焼肉 と文字
https://tomoji.owst.jp/
〇魚炉東口原価市場
https://totorogenkaichiba.owst.jp/
さて、次回の開催は10月28日(日)となります。
「 事業計画書の書き方&中間発表 」
10:00~15:45 @Gomboppa
次回は、いよいよ中間発表となります。みなさんがこの2ヶ月間で練ってきたプランを、存分にプレゼンしてください。午後にレクチャーをいただく日本政策金融公庫仙台支店の小出直人様と佐久間様にもご出席いただきますので、積極的に意見をいただいてご自身のプランに反映させましょう!
午後の創業計画書の作り方に関しては、小出様より詳細な資料で分かりやすくポイントをレクチャーいただきます。「なぜ創業計画書が必要なのか?」「創業計画書の作り方」「創業計画書から見る失敗例と成功例」をお話いただきます。食に特化した内容は他では経験できないものですので、しっかりした学びにつなげましょう!
Comentários